結局ネクの優しさに甘えて家に泊めて貰う事になり、関節痛くてだるい体で学校を出た。 「ごめん、ネク…」 「気にするなよ。」 俺の島まではとっても遠い。 いつも一緒に居たリクは今は海を隔てた遠い彼方にいる。 リクと離れ離れなんてたった一晩でも辛い事ばかり思い出す。 ちょっと離れればまた会えなくなってしまうような不安が募って、こんなのただのトラウマだけど切なくなってしまうのは風邪で心まで弱っているせいなのかな。 そんな事を考えてちょっと涙目になりながら校門を出ようとすると、門のところに背の高い人影があった。 「…じゃあな、ソラ。早く風邪治るといいな!」 ネクは人影に気付くと笑って俺にさよならを言って校門を出た。 長い銀髪でマッチョな人影は何も言わずに下向いて門に背を預けて立っている。 こんな時間まで待ってたらお前だって帰れなくなるのに。 待ってるくらいなら意地張らずにさっさと探しに来て一緒に帰れば良かったじゃないか。 変に意地っ張りなリク、でもこんな風にたまに優しいからムカついてたけどつい許しちゃうじゃないか。 待ってたのが気まずいのかリクはバツが悪そうな顔して何も言わない。 「リ〜ク!待っててくれたなら電話くらいしてくれたって良かったじゃないか。」 「…遅いぞ、何やってたんだこんな時間まで。」 俺はとっくにもうさっきの事なんて水に流してるのにリクは相変わらず喧嘩腰な支勢を崩さない。 眉間に皺なんか寄せちゃって、全くどこまで頑固者なんだろう。 「リクの事考えてたら寝ちゃった。ネクが起こしに来てくれなかったら俺多分ずっと寝てた。」 「そ、そうか。」 リクの事なんて言ってやったらちょっと嬉しそうにしやがって。 本人はポーカーフェイスのつもりなんだろうけど俺には結構リクの考えてる事分かるんだ。 「あーあ、もう船無いしどうする?」 「…困ったな、泳いで帰るか?」 体力万全なら俺達ならそれくらい出来そうなものだけど、学校の荷物あるし熱まで出してたらそんなのただの冗談にしか聞こえない。 「それキツイって。」 「じゃ、じゃあ…どこかに泊まるか?」 「え?!」 そう言ってリクはどこかへ歩き出した。 リクと二人で泊まるなんて初めてだ。 色んな所旅したからどこでだって眠れる自信あるけど、リクと俺んち以外で一緒に寝るのなんてそう言えば初めてでなんか変な感じだ。 「でも、俺金持ってないし…」 「お前は無駄遣いが多いからな。気にするな、俺が奢ってやる。」 「そっか、ありがとな。へへっ今日はリクと泊まりかぁ何かワクワクするな!」 リクは俺と違って都会に来ても余計な物買わないからきっと財布はリッチなんだろう。 リクと初めての外でお泊りなシュチュエーションに心躍らせていたら、いつの間にか自分が熱出しているなんて事は忘れ去っていた。 学校を離れて繁華街の方へ行くと街は昼間とは全く別の顔をしていた。 道行く人も派手な若者が多くて、こんな制服姿の真面目な学生なんて俺達以外見当たらない。 泊まるって言ってもどんなところへ行くつもりだろう。 リクは当てでもあるんだろうか。 黙々と足早に歩くリクの後ろを取り合えず着いていくと人気が無い割りには派手な建物ばかりの場所にやって来た。 建物の周りには宿泊とか休憩とかの看板がある。 どうやらホテルらしいけど妙に派手だし、道行く人はどこかよそよそしいのは気のせいだろうか、都会には変わったものばかりで全てが新鮮だ。 見慣れない風景を見渡して楽しんでいると、急にリクが俺の腕を引っ張って近くの建物に引き摺り込んだ。 「り、リク?!」 「静かにしろっ、こういう所に入る時は余り目立たないようにするのが都会だ。」 「う、うん!分かった。」 リクは何でも知ってるんだなぁなんて感心しながら中へ入ると、やたらロマンチックなロビーには人気が全く無い。 「このホテル、流行ってんのか?」 「バカだな、ここはそうゆう所なんだよ!お前はここで座って待ってろ。」 リクは俺を近くのソファーに座るように促して一人でどこかへ行ってしまった。 初めての場所に訪れてじっとなんてしていられない俺は当然辺りを徘徊した。 静かで薄暗いロビーはブラックライトの様な光で照らされていてとっても綺麗だ。 エレベーターの方へ行ってみると丁度降りてきたカップルに鉢合わせ、俺の顔見るなりカップルは何だかよそよそしく下を向いた。 「ソラ、待ってろって言っただろ?行くぞ!」 いつの間にか鍵らしき物を持ってリクがやって来た。 何だかおかしなホテルだけどリクと一緒ならどこだってきっと楽しいに決まってる。 熱の所為か少し視界がグラつくけど俺の体、もう少しだけ頑張ってくれよ。 部屋に着くとやたら狭い部屋に見た事無いような大きな天蓋付きのベッドと大きなテレビがあった。 部屋の殆どがベッドで占めているなんて本当に寝る為だけの目的のホテルだ、なんて思ったらゲームが置いてあったり風呂がやたら広かったりでいまいちコンセプトが良く分からない。 「リク、リク!凄い!風呂が光ってる!」 そこらじゅうにあるスイッチを押しまくっていたら風呂が七色に光ったり部屋の照明がピンクになったりでとっても凝っている。 こんなの世界中色々旅したけど初めてだ、やっぱり都会は違う! ベッドに座って妙に落ち着いているリクの隣へ行ってふかふかしたベッドにダイブしたら何だか急に視界が回り始めた。 頭もふわふわするし喉もからからだし焦って隣に居るリクの制服の裾を掴んだ。 「ん…リクぅ、何か俺っ…」 「ソ、ソラ?!」 「やばい、かも…」 水持ってきて、って言おうとしたら急にリクが俺の上に覆いかぶさってきた。 「ソラ、俺も同じ気持ちだ!」 「え、ちょっ…リク?んむっ」 何故か急にリクにキスされてその肉付きのいい体に押しつぶされてしまった。 く、苦しい…! 折角の仲直りのキスも今の俺にとっては拷問以外なんでもない。 リクの頭の上の天井がゆっくり回っているように見えてずっと見ていたら酔って吐きそうな気がしたから目を閉じた。 抵抗する体力も無いし仕方なく大人しくしていると、リクの手は俺のジャージのチャックを一気に引き下ろした。 「んっ…うう…」 さっきから悪寒は感じてたけど一気に寒くなってリクにしがみ付いたら、耳元でリクの荒い呼吸を感じた。 「ソラ、ソラぁっ…」 ハァハァしながら俺の首筋にリクが吸い付いてくる。 まるで今日の廊下での展開と同じだ。 そう言えばあの時、廊下じゃなきゃいいとかなんとか言ってたけどまさかそんなつもりなのか? 今日知ったけどこんな時のリクの勢いは半端じゃなくて若干怖い。 ストップかけようとしたけれどリクは再び俺の唇に吸い付きながら裸になった胸を触り始めた。 ついにリクとエロい事するって言うのに体は寒いし頭はぐるぐるだし、もう俺どうしていいか分からない。 「んぅ…リク、リクぅ…きもち…」 「ソラっ、ここか?気持ちいいか?」 唇が解放された隙に気持ち悪いって抗議しても何だか違った解釈をされているのかリクはやたら俺の乳首を触ってくる。 さっきからリクの股間の固い物が太腿らへんに当たってるし、俺の気も知らないで一人で突っ走るリクに苛立ちさえ感じ始めた。 そもそも俺の事当たり前みたいに組み敷いて来るし、触れてくれるのは嬉しいんだけど、何となく俺たちの関係からして俺がネクみたいな役割なのは分かるんだけど、 何か一言無いのかよ!もっとこう、ムードとかそうゆーのは無いのかよ! こんな風に性欲を一方的に押し付けられるのは今のグロッキーな俺には辛くて涙さえ浮かんできた。 「リクっ…うっ…バカやろっ…ふざけんなぁ…」 もう熱で頭が訳分からなくて気がついたら嗚咽を上げて泣いていた。 「ソラ、ソラ?どうした?!どこか痛いのか?!」 「早く、気付けって…リクなんかっ…リクなんかぁ…」 やっと俺の様子に気付いてくれたのか心配して俺の目を見詰めるリク。 どアップの綺麗な顔見ながらいい加減前髪切れよ、って思いながら俺の意識は薄れていった。 「ソラ?!ソラぁ!!」 おかしい、さっきまで俺とノリノリで大人の階段上る気満々だったソラが突然俺を罵倒しながら泣き始めた。 一体どこからおかしくなったのだろう。 今日、ソラと喧嘩して先に帰ってやろうかとも思ったけど、ファーストキスを済ませた後にとても一人で帰る気になんかなれなくてかっこ悪いけど校門で待っていた。 中々出てこないソラを待っていたら船の時間は迫ってくるし、でもどこかで最終の船を逃してこんな展開を望んでいた。 王様と旅しながら世界の色々な知識を叩き込まれた俺は当然ラブホテルなんてものが存在する事も知っていた。 島にはこんな物ないしこのまま都会の夜をソラと色んな意味で満喫しようと思っていたのに。 「ソラ、どうした?!大丈夫か?!」 さっきまで愛らしく部屋ではしゃいでいた筈のソラは目を閉じてうなされている。 俺の側に来ててっきりソラから誘ってきたのだと思い込んで理性をぶっ飛ばしていたけれど、この様子だと大分前から熱を出していたようだ。 額にはうっすら汗をかいて顔は熱く火照っている。 「ごめんな、ソラ。許してくれ。」 「うぅ…」 俺の言葉も届かないのかソラは目を閉じて苦しそうに魘されている。 どうしてもっと早く気がついてやらなかったんだろう。 よく考えたらソラならびしょ濡れの服着たまま寝るなんて在り得る事じゃないか。 せめて着替えさせてやれば良かった。 俺がついていながらソラに風邪を引かせるなんて、と後悔しながらソラの着衣を整えて濡れたタオルを額に当ててやった。 暫くしたらソラはその長い睫毛を伏せて気持ち良さそうに眠り始めた。 熱の所為で上気した頬がエロいな、なんて思ってしまうのは不謹慎だけれど俺だって年頃の男なのだから仕方がない。 中途半端に高ぶった性欲を持て余していた俺は、今朝の様に眠ったらまず起きないソラを抱き締めて暫くその体温を感じていた。 「ソラ…ソラ、早くお前とヤりたい…」 毎朝眠っているソラに暗示かけるみたいに囁いていた所為か、ソラの性欲は確かに目覚め始めているようだ。 ソラは下ネタなんか一切話さないしどこまで知識があるのか不安だったけれど、どうやらセックスという行為は理解しているらしい。 ソラの部屋のゴミはいつも俺が片付けているけれど、毎回チェックしているが自慰の残骸はまだ見付けた事がないからそこら辺はどうなのだろう。 ソラにちゃんと出すもの出す機能が働いているのか日々不安だった俺は、毎朝ソラの朝立ち確認をしていたがこれが中々微妙だった。 弱って爆睡しているのをいい事に俺はソラに寄り添いながらそっとソラのパンツの中に手を入れた。 これは俺達がちゃんとセックス出来るかどうかの確認作業だ、決して厭らしい意味じゃない! そう自分に言い聞かせながらソラの可愛らしいペニスを手コキしていると、俺の手の平でそれは予想外に男らしいサイズに成長していく。 恐らく質量MAXになったものはどうにか俺の方が勝っていたので一安心だ。 「う…んん…」 「ソラ、気持ちいいのか?」 ソラは目を閉じたまま少しだけ体を捩らせて鼻に掛かったような甘ったるい声を上げた。 そんな声を聞いたら俺の心拍数は急激に高まってしまう。 落ち着け、ソラは病人だ! 胸をどきどきさせながら行為を続けているとソラは何度もそんな声を上げて快楽に身悶えている様子だ。 「ン…う…リク…」 感じながらたまにうわ言の様に俺の名前を呼ぶソラ。 俺は確かに愛されている、ソラ、好きだ!大好きだ! そんな気持ちが胸一杯に高ぶって思わずソラにキスしようとすると、その大きな目が薄っすら開いて確かに目が合った。 「そ、ソラ?!」 起こすのに30分は軽くかかるソラが突然起きるなんて想定外だ。 こんな寝込みを襲うような真似をして気まずい事この上ない。 焦って右手の動きを止めるとソラはうっとりした目で俺を見詰めた。 「リク…なんか、変…止めるなよ…きもちいい…」 「そ、そうか…分かった…」 若干後ろめたい気持ちを抱きつつもソラが喜んでくれているのなら、と思いながら行為を再開するとソラはさっきよりも息を荒げながらまた甘い声を上げる。 そういえば健康体な俺には殆どないけど、熱がある時にすると気持ちいいもんな。 「リク、どうしよう…オレっ…あっ!」 ソラは体を少し強張らせながら俺の手の中でイってしまった。 「ソラ、お前ちゃんと大人だったんだな。」 からかうようにそう言ってやるとソラは再び目を閉じて眠ってしまった。 どうやら力尽きたようだ。 ソラの精液で汚れた右手を愛しく思いながら適当に後始末をして、まだソラの匂いのするその右手で俺は自分の性欲を処理した。 「っ…ソラっ…」 早くこれが右手じゃなくてソラのあそこになる日が来ますように。 ソラと過ごす初めての都会の夜は少し痺れた右手とやたら高い体温と共に更けていった。 続く