俺の部屋でくつろぐヨシュア。
もう何年も見慣れた光景なのに今日は人生で一番落ち着かない。
「な、なあ、腹減らない?」
「そうだね、ネク君なんか買って来て。」
「ああ、ちょっと行ってくる!!」
やっと一人きりになったら自分の部屋より外の方がよっぽど落ち着いた。
コンビニでヨシュアが好きならあめんどんの塩味のカップ麺と自分のしょう油味をカゴに入れて適当に物色していると、生活用品が纏まってるコーナーであるものを発見した。
こ、こういうの買っといた方がいいのか?!
隅っこにひっそりと置いてあるコンドーム。
男同士なんて詳しく知らないしビイトにでも電話して聞いてみようかな、ってそういえばあいつ等まだ一応形上付き合ってるんだよな?!
よく考えたらこれって立派な裏切りなんじゃ...
しかしビイトとヨシュアの我が侭を天秤にかけたらやっぱりヨシュアを選んでしまう自分がいる。
長年のヨシュアの支配が親友までも裏切らせるなんて。
ビイト、本当にごめん!!俺だって好きで今からこんな事する訳じゃないんだ!!
ビイトに心から詫びながらコンドームの箱をカゴの中に放り込んだ。

 

ヨシュアとラーメンを啜っていても緊張して味が全然判らない。
ヨシュアは相変わらず飄々としているけど一体どういう神経しているんだろう。
まあこいつの図太さは今に始まった事じゃないけれど。
「なぁ、こっこれ飲もうぜ」
しらふでなんてやってられなくてつい買ってしまったアルコール。
何度かヨシュアに無理矢理飲ませられたけどあの独特な味が大嫌いだった。
決して美味しくはないけれどこれの力でも借りない限り到底出来っこない。
いっそヨシュアが酔い潰れて寝てしまえば何もしなくて済む、なんて小さな希望に縋っていた。
「どうしたの?ネク君がお酒買ってくるなんて珍しいんじゃない?」
「えっ?!たまにはいいだろ!」
「フフ、そうだね。」
少しづつチューハイを流し込んでいくと酔っている所為か色々な想いが湧き上がってくる。
ヨシュアは何で突然こんな事を言い出したのかとか、
俺なんかとこんな関係になっていいのかとか、
明日から二人の関係はどうなってしまうんだろう、とか。
それにビイトの事だって...
「お前、ビイトの事好きじゃないんならもう別れてやれよ」
せめてそうしてくれないともうビイトに合わす顔が無い。
「え?何、ネク君妬いてるの?」
「は?!そんなんじゃない、ちゃんとしとかないとビイトに悪いだろ?俺友情壊したくないし。」
「ふうん、そんなに彼との友情が大事なの?心配しなくてもさっきネク君がコンビニ行ってる間に電話したよ。」
「別れたのか?」
「当たり前でしょ、最初っから興味無い。」
「そっか、よかった。」
興味無いならどうして付き合ったんだろう、それもまたいつもの気まぐれだったのかな。
「ねえ、ネク君本気で何も気付いてないのかい?」
酔いが回ったのか少しだけ頬を赤らめたヨシュアが呆れる様に言った。
俺も酔ってんのかな、そんなヨシュアが少しだけ色っぽく見えてしまう。
気付いてないって何を?頭がぼーっとして深く考えられなかった。
「あ...俺ちょっとやばいかも」
頭がくらくらしてきたのでヨシュアが陣とって座っていたベッドに倒れ込んだ。
「ネク君大丈夫?顔真っ赤だよ、弱いのに調子乗って飲むからだよ」
ヨシュアの手がそっと俺の頬に触れる。
冷たくて気持ちいい。

調子乗って飲まなきゃ大事な幼馴染とセックスなんて出来るわけないだろ。
そうだ、俺の大事な大事な幼馴染のヨシュア。
小さい頃からずっと俺が守ってきたんだ、今更ビイトなんかに渡せるわけないじゃないか。

って俺何考えてんだろ、酔って雰囲気に流されてるのかな。
こんなのどこかの少年漫画の安直な設定みたいだ。
漫画だったらこの次の展開はやっぱり...
気が付いたらヨシュアの細い手首を掴んでた。
ヨシュアが驚いた顔してる。


もっと驚く顔が見たくなって自分の方に抱き寄せた。

 


 

さっきまで酔って思考が停止しかかってたのに何で肝心な時に醒めるんだよ!!
安い酒はすぐまわるけどすぐ醒めるって本当だな!!
お互い下着一枚の姿になった途端急に理性を取り戻した俺。
どうしよう、今更止める雰囲気でもないし俺の体もそのつもりは無いらしい。
ヨシュア相手に勃つなんて、俺もいつの間にか男子校に染まってたんだな...
頭は冷静なのに妙に顔が熱い。
これはアルコールの所為じゃなくてきっと緊張してる所為だ。
多分今の俺顔真っ赤。
ヨシュアもちょっと顔が赤い。
初めて見る、こんな顔したヨシュア。
一生懸命冷静な振りしてるけど内心恥かしくてたまらないって顔してる、ずっと見てきたから俺には分かる。
「なんか、照れるな///子供の時から知ってるのに...」
「フフフっ、そうだね///」
余裕なさそうに笑った顔が凄く綺麗だった。
今まで見てきた中で今のヨシュアが一番綺麗。
そんな想いが背中を押してヨシュアの唇にキスをした。
ファーストキスの相手が幼馴染になるなんて。
たとえこれが恋じゃなくても、大事な相手には変わりない。
素直にヨシュアで良かった、と思った。
「ん...」
ヨシュアの唇は思ったより柔らかくて気持ちが良くて俺を興奮させるには十分だった。
外国の映画みたいに舌を入れて絡ませるとヨシュアもそれに応えてくれた。
唾液の絡むいやらしい音が妙に近くに聞こえて心臓がどきどき言ってる。
拍車が掛かった俺はそのまま首筋に唇を移動させた。
真っ白な首筋にいくつもの赤い痕。
俺の所為でヨシュアの肌にこんなもの付けさせてしまった。
その痕を掻き消す様に上からもう一度キスマークを付け直した。
「ん...ネクくん...くすぐったい」
「ちょっとくらい我慢しろよ///」
どんな顔してるのか見たくなってヨシュアの方を見ると、何故かドアの方を凝視している。
え、何だ?誰かいるのか?
釣られて見てみるとそこには見慣れた俺の部屋のドア。
「ど///どうした?」
「ん、なんか白い人がこっち見てるから」
「ええっ?!」
ヨシュアは霊感が強いのでたまにこんな事を言い出す。
最近はよく「白い人」が俺達の事を見ているらしい。
もう慣れたつもりだったけど流石にこんな時にまで見える事ないだろ!
「あっちへ行ってよ、今は邪魔しないで。」
「わぁぁ!!話し掛けるな!!怖くなるだろっ!!」
「あ、大丈夫。もう行っちゃった。もういいよ、続けて。」
「ほ、本当に大丈夫なのか?!」
「うん、彼いい霊だから。きっと僕達が仲良くしてて羨ましかったんだよ」
さっきからヨシュアが妙に素直だ。
こんなの俺、調子狂う。
でも素直なヨシュアはちょっとかわいかった。
また胸がどきどきしてきてすっかりその気に戻っていた俺は単純だと思う。
キスマークを修正し直すと今度は男の割には妙にピンクい乳首にキスをした。
肌と釣り合ってて綺麗な色、なんて思いながら吸い付いてみるとヨシュアが擽ったそうに体をしならせた。
「あ....」
何だか可愛い声出してくるし今俺が抱いてる相手は本当にあの俺様なヨシュアなんだろうか。
片方の手で反対の乳首を触ってやるとヨシュアが俺の髪の毛をぎゅっと掴んだ。
いつも俺を顎で使うようなヨシュアが俺の愛撫にこんな必死になって耐えてる。
なんだ、ヨシュアも可愛いとこあるんだな。
もっと早く知っておけばよかった。
そうすれば俺の気持ちはもっと違っていたのかもしれない。
胸を愛撫していると丁度俺のお腹の辺りにヨシュアの勃起しているのが当たってる。
複雑な心境だけどパンツに手を入れて直に触ってやった。
「んっ...やだ///ちょっと、ネクくん///」
自分から言い出した癖に何を今更焦っているんだろう。
セックスするのにここを触らないでどうしろっていうんだよ。
「が、我慢しろよ///お前が言い出したんだぞっ///」
手で扱いてやると透明な体液が少しずつ俺の手を汚していく。
ヨシュアのだからか知らないけど、男の性器なのに特に抵抗は感じなかった。
それよりもヨシュアが面白いくらい必死な顔してるからもっと見たくなって凄い事してみた。
「やっ!やだよネクくんっ///....あっ///」
フェラチオなんて一度でいいからされてみたいって思ってたのにまさか自分がする日が来るなんて思いもよらなかったな。
ヨシュアの俺と同じくらいのサイズの陰茎を口に入れて舌を絡ませてみるとヨシュアが切ない声を上げた。
いつもよりちょっと高くて可愛いくてずっと聞いていたくなるような声だった。
自分がされたら嬉しいかなっていうような愛撫を施していると根元が固くなってきてもうイきそうになってる。
「あっ...ネクくん、もうやめてよっ....」
「い、いいよ///出しても、いいから...」
ヨシュアは嫌そうだけど別に俺が嫌じゃないからそのまま続けてやった。
亀頭を強く吸い上げて根元を擦ってやるとヨシュアがまた切ない声を出す。
「んっ、あっ!!」
俺の口の中が熱い液体で一杯になって生臭くて苦い味が広がった。
まずいに決まってるけどやっぱり嫌じゃなかった。
でも喉越しは最悪。
「ネク君何飲んでるの?!最悪///」
「し、仕方ないだろ///!!ティッシュ遠いし....」
「だからって、の、飲むなんて///信じられないよ!馬鹿じゃないの?!」
「う、うるさい//どうせ俺馬鹿だよ///」
馬鹿って言うか俺、ヨシュア馬鹿かも。
「こういう時くらい、ちょっと黙ってろよ///バカ///」
そう言ってヨシュアに軽くキスしたら少し大人しくなった。
えっと///ここに入れればいいのかな....///
ヨシュアのお尻の割れ目をまさぐって指を入れようとしたらまたヨシュアが騒ぎ出した。
「や、やだ!!何やってるのネク君///!!僕痛いの嫌だよ!!」
「え、じゃあやめるのか///?」
本当は止めたくなかったけれどヨシュアに痛い思いはさせられない。
傷だって付けさせたくなかった。
「い、いいよ///何かないのかい?濡らすやつ///」
なんかしおらしいヨシュア、そうまでして何でそんなに俺としたいんだろう。
俺とっていうか、セックスがしたいだけなんだろうけど。
そう思ったらちょっとだけ胸が苦しくなった。
これもどうせヨシュアの気まぐれなのは分かってる。
けど少なくとも俺はただの好奇心や性欲だけじゃなくてヨシュアだから、だったから少し切なくなった。

そう考えると少し悲しくなってしまうから今はこの気持ち、頭の隅に寄せておこう。






濡らすもの、といっても俺の部屋にそんな気の利くものがあるはずもない。
「そ、そうだな...ローションとか、無いし///」
「もう、仕方ないね、あんまりこっち見ないでよ///」
するとヨシュアは自分の指を咥えるとそれをペロペロと舐めだした。
妙に卑猥なその光景に釘付けになっているとヨシュアがその指を自分の入り口に当てた。
「ん....///ちょっと、見ないでよネク君っ」
うわ、ヨシュアが自分であんなとこに指入れてっ///
ああ、もう俺まで恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。
気を使って部屋の電気を薄暗くすると、オレンジ色に染まったヨシュアは一層エロく見えた。
溜め息を漏らしながら時折小さく鳴くヨシュアは本当に健気で愛しいとさえ思う。
「だ、大丈夫か//?!」
「あっ....は、話しかけないでよっ」
ヨシュアに睨まれたと思ったら急にベッドに押し倒された。
え、何?!
状況が掴めないでいると急に下半身に生暖かい感触がした。
驚いて見てみると俺の股間にヨシュアの顔が埋まってる。 
「なっ!!おまっ///何やって!!」
「ネクくん、いや?」
俺のを咥えながら上目遣いで可愛くそんな事を言われたらもう首を横に振るしかないだろ。
「あっ...ん...」
恥ずかしいけど俺までさっきのヨシュアみたいな声が出て自分でも驚いた。
念願のフェラがやっぱり相手はヨシュアだなんて本当に思ってもみなかったな。
でも自分でするよりも気持ち良くてあったかくてすぐイっちゃいそうだ。
「ん、もういいかな....」
急にヨシュアの口が離れたと思ったらほっそい体で俺の上に騎乗位で股がってきた。
俺の先っぽらへんに何か当たってる///!!
「んっ....いたっ」
「よ、ヨシュア///」
俺に任せとけばいいのに何自分ばっか頑張ってんだよ///
よく考えたら長い付き合いでヨシュアが俺の為に何かしてくれたのなんてこれが初めてかも。
もしかしたらそれだけこの行為に負い目を感じてるのかな。
たしかに初めは乗り気じゃなかったけど、俺今は...
「ん、あっ....」
ヨシュアが辛そうに腰を落としていく。
全部入ると切ない顔して俺の方を見た。
「...ネクくん....き、きもちいい?」
気持ち良すぎて思わずうん、って首を縦に振ったけどヨシュアは反対に凄く痛そう。
何でこいつこんな思いまでしてセックスしたかったんだろう....
気紛れにしては気合い入りすぎてないか?
俺が気持ちいいって応えたらヨシュアはふっと笑ってまたゆっくり腰を動かした。
俺の胸の辺りにあるヨシュアの指に力が入って辛いのが伝わる。
「ん、ヨシュア....もういい、から//」
もう見てられなくって上半身を起こしてヨシュアの細い体を抱きしめた。
俺がずっと守ってきた体は細くて白くて頼りなくて、あったかい。
ヨシュアが俺の首に腕を回して凄く自然にお互いキスを交わした。
するとヨシュアの中が俺の事締め付けるからそれだけでイきそうになってしまう。
ヨシュアの事は心配だけど性欲が限界に来て思わず腰を動かした。
「ふ....んんっ...」
キスしてる隙間からヨシュアの鼻に掛かった甘ったるい声が漏れる。
「ハァっ....その///も、もっとしてもいいか///?」
こんな快楽、もう止まりそうにない。
「んっ....いいよ///」
俺の頭にしがみ付きながらヨシュアが小さく囁いた。
繋がったままヨシュアを丁寧にベッドに寝かせて抱き合ったままゆっくり腰を動かした。
「あっ...ん///...ァ....」
なんだかヨシュアも気持ち良さそうな顔してていつの間にかまた俺のお腹にヨシュアのが当たってる。
「ヨシュア、その...感じるのか///?」
「ん....そ、そんなこと、聞かないでよ///」
泣きそうな声出して顔を背けるヨシュア。
汗で額に張り付いた前髪を掻き分けてやると目にいっぱい涙を浮かべてこっちを見てた。
小さい頃はしょっちゅう泣き顔見てたけど、そういえばもうずっとヨシュアの涙なんか見てなかったな。
ヨシュアが泣いてた時はよく頭撫でてやってたっけ。
当たり前のようにヨシュアの頭撫でて大丈夫かって言ったら苦笑しながらうんって言われた。
なんかわからないけど急に胸がぎゅっと締め付けられて苦しくなって、衝動的にヨシュアを揺さぶった。
「あっ、ネクくんっ....あ///やっ...」
またヨシュアが先走りの液を流しながら辛そうに勃起してたからそっちも触ってやった。
「んっ、だめ....ネクくん...い、いっちゃうよ」
「ん、俺も....」
ヨシュアの中は凄く気持ちよくてこんな感じ初めてだったから速攻で限界が訪れた。
「あ、もうイく///....あっ」
どこに出したらいいかとか、そういえばコンドーム買ったのにとか思い出す前にあっけなくヨシュアの中に果ててしまった。
「あっ、ネクくんっ....んっ」
ちょっと遅れてヨシュアが俺の手でイった。
何も考えてなかったからヨシュアの精液が顔や胸に全部飛んでその姿がエロいな、なんてどきどきしてしまった。
あ、そういえばティッシュ遠かったんだっけ///


適当に後処理してたらなんだか眠たくなってきて、ヨシュアがシャワー浴びに行ってる間にいつの間にか寝てしまった。


その夜、懐かしい夢を見た。

幼いヨシュアが俺と将来結婚するとか言い出して暫く俺ん家に居座ってた時の夢。
お母さんに男同士だから俺達は結婚出来ないって言われて泣きながらヨシュアがずっと俺の部屋に引き篭もってた。
そんなヨシュアに俺はずっと一緒にいるから大丈夫とか言いながら慰めていたっけ。


ネク君のお嫁さんになる、って言いながらあの時みたいに小さいヨシュアが今の俺に縋り付いてくる。

今度は俺が男同士だから無理なんだよ、って言ったら「嘘つき!」ってまた泣き出した。

するとどこからか小さい俺がやって来て小さなヨシュアを抱きしめながら「ヨシュアをいじめるな!」って俺の事を睨むんだ。

俺はずっと二人にごめんごめんって謝ってた。

 

変な夢、だけど懐かしくてなんだか切ない。

 

 

 

 

「ヨシュア....ごめん....ごめ....」
ひたすら謝ってる自分の声で目を覚ますとまだ部屋は薄暗かった。
今は明け方くらいだろうか、部屋を包む闇はそんなに濃くはない。
俺の胸元にはいつに間にかヨシュアが顔を埋めていて子供みたいな顔して眠ってた。
良く見ると本当に綺麗な顔立ちしてる。
周りが騒ぐのも分かるな。
俺、ヨシュアとセックスしちゃった...
こういうことしたらなんか気まずくなるのかなって思っていたけれど、なんて事なかった。
ヨシュアは相変わらず大事な幼馴染みできっとこれからも俺が保護者みたいに面倒見るんだろうな。
すっかり目が覚めてしまって携帯なんかいじってると丁度昨日の情事の最中にシキからメールが入ってた。
『明日この前送ってくれた画像に一緒に写ってた子と三人で遊ばない?あの子紹介して♪』
なんだこれ...
つまりシキは最初に俺が送ったヨシュアと二人で写ってた写メのヨシュアの方を気に入ったって事か?
結局こういうオチだったのか、なんか面白くない。
どうせヨシュアが相手にするとは思えないけど...
いつの間にかカーテンの隙間から柔らかい朝日が差し込んでいた。
ヨシュアの朝御飯も用意しないといけないし、裸のヨシュアに適当な服を着せてから一人で台所に降りていった。

 

簡単な朝御飯を作って部屋に持って行くとヨシュアが俺の携帯をいじっていた。
「な?!何見てんだよ!」
別にやましい事なんか無いけど焦ってヨシュアから携帯を取り上げた。
「いつの間に女の子の知り合いなんか出来たの?モテないくせに色気づいちゃって」
人の携帯勝手に見といて第一声が嫌味かよ。
慣れてるから何とも思わないけどやっぱり凄い神経してるな...
「ビイトが無理矢理紹介してきたんだよ、別に何でもないって!」
何でもないとか何で俺一々弁解してんだろ。
付き合ってる訳でもないのに。
「ふうん、ねえ、今日日曜日だしその子と三人で遊ぼうよ。」
「えっ?!お前、興味あるのか?!」
「あのね、僕だって男なんだから。このシキって子、画像見たけど可愛いし」
な、なんだよ急に!いっつも女なんて興味無いって顔してるのに!!
やっぱりなんだか面白くない。
こんなの俺の知ってるヨシュアじゃない。
ついさっきまで俺に甘えて眠ってたくせに!
「俺行かない。」
「あっそう、じゃあ僕一人で行ってくる。今日暇だし」
「なっ!!なんだよそれ!!勝手にしろよ!」
日曜日はいつも一緒に過ごしてるのに!
急に味わったことの無いイライラが胸に込み上げてきた。
ヨシュアが女の子と仲良くデートなんて考えたくない。
しかもシキに対して可愛いだなんて!!
「その子の番号教えてよ」
ヨシュアが俺の携帯を開こうとしたからすかさず取り上げた。
なんか俺、嫉妬してるみたいじゃないか。
ヨシュアに、シキに?
そんなの決まってる、俺ヨシュアがシキに取られるのが嫌なんだ。
ヨシュアはずっと俺だけにしか興味無いと思ってたから。
そんなの俺の勝手なエゴだけど....
「ネク君何怒ってるの?フフっ」
ヨシュアが楽しそうに笑ってる。
そんなにシキの事が楽しいのかよ!
なんだこれ、こんなにヨシュアに腹が立ったの初めてだ。
「もういい!!シキとでも付き合えばいいだろ!!結局お前、誰だっていいんじゃないか!!」
怒りが頂点に達して気が付いたら携帯をヨシュアに投げつけてた。

 

珍しく一人きりの日曜日。
苛立った勢いで家を出て、ふらふらと近くの公園を歩いていた。
そういえば昔よくこの公園でヨシュアと遊んだな。
イライラはまだ収まらないけれど公園で遊ぶ小さな子供たちを見ていたら少しだけ気分が和んだ。
俺達もあの頃はあんな風に無邪気に遊んでたのに。
あの子達もいずれ大人になって違う誰かと一緒になる時がくるのだろうか。
ヨシュアもいずれは誰かと付き合って恋をして俺から離れていくのかな....
ベンチに座って懐かしい遊具を眺めながらそんな事を考えていたら、なんだか胸が苦しくなった。
するとそんな俺の隣に誰かが座る気配がした。
ベンチは沢山空いてるのに何でわざわざ俺の横....
その異様な行動にさっきまでのセンチメンタルな気分は一気に吹き飛んだ。
気味悪くて横目で見たら見覚えのある顔だった。
え?!この前の渋谷の怪しい奴!!
意味不明な事言って去ってった変な大人、忘れる訳がない。
もしかしてストーカー?!やっぱり勧誘?!
俺がパニックになっているとまたこいつが俺に絡んできた。
「ねえ、君恋した事あるかい?」
うわっなんかヤバい方向!やっぱりそっち系の趣味のストーカー?
「いや、無いです、たぶん....」
不信感一杯の目で見るとやっぱり懐かしそうに俺の事見てる。
なんだか他人とは思えない様な不思議なオーラを漂わせていた。
俺、この人と昔どこかで会ったっけ?
「僕はね、凄く大切で大好きな人がいたんだ。今もずっと恋してるよ。」
そう言われてハッとした。
俺だっているよ、そんな相手。
誰よりも大切で....
大好き....はちょっとよくわかんないな。
「大切な人が誰かに奪われてから気付く恋もあるんだよ、君は早く気が付いて」
この前も似たような事言ってたな…
一番大事なものは近すぎて見えないとかなんとか。
「早くしないと彼あの子に獲られちゃうよ、フフフ」
「えっ?!!」
何でこの人がその事知ってるんだ?!
ヨシュアがシキにとられちゃう?!
そうしたら、俺は....
これってきっとビイトの時みたいな意味じゃない。
気持ちの面でヨシュアをとられるって意味だ。
ヨシュアが本気で誰かを好きになったらなんて考えた事無かった。
そんなの、そんなのって....
「い、嫌だ!!」
小さい頃からずっと俺が守ってきたのは誰かにヨシュアを渡す為なんかじゃない。
当たり前のように我が侭聞いてきたのも、代わりに殴られたりしてきたのも良く考えたら理由なんて簡単だ。

俺もしかしたらずっとヨシュアの事好きだったのかもな....

本当にもうそれが昔から当たり前で気が付かなかったけど、きっと出会った瞬間からずっと大好きだった。
そして多分昨日の夜、子供の「好き」から大人の「好き」に変わったんだ。
こういうの恋っていうのかな、本当に近すぎて見えなかったけど。

不思議な人だな、この人の言葉、なんだか心に染み込んできて胸が詰まりそうになる。
「あの、お、俺...」
そんな気持ちを伝えようとしたら隣に居たはずの彼の姿がなかった。
「っ?!」
辺りを見渡しても居ないし、見渡しのいい公園で見失うはずも無い。
まるで消えたみたいだ。
急に悪寒がしてよく考えたら、あの人今日もこの前も真っ白な服着てたっけ。
ヨシュアが最近言っていた「白い人」....
ま、ま、まさか!!!
「うわああ!!!」
あれ、絶対「白い人」だ!!幽霊だ!!!
恐怖で全身の血の気が引いていく。
今すぐヨシュアに知らせたかったけど携帯持ってないし、俺は全速力で自宅に駆け戻った。



 

「あ、ネク君....お帰り」
部屋駆け込むとぽつんとヨシュアが座っていた。
「ハァっ....あれっお前シキんとこいったんじゃ....」
ヨシュアが俺の部屋で待ってるなんて思いもよらなかったから一瞬そっちに意識が集中した。
けれど、俺の部屋と言えば昨晩....
「わぁぁぁ!!よっヨシュアぁぁ!!白い人!!俺っ!!しゃべっ!!」
ヨシュアに縋り付いてパニックになっている俺、情けないけど心霊関係だけはヨシュアに頼るしかない!
「ちょっと、ネク君?!何、どうしたの?落ち着いてよ!」
「しっ白い人!!俺っ昨日も今日も話しかけられたっ!!」
「ああ、だから彼は大丈夫だよ、いい霊だっていってるでしょ?何もされなかったでしょ?」
抱きついて震える俺をヨシュアが優しく抱きしめてくれた。
背中を何度か擦られて落ち着きを取り戻すと急に心拍数が上がっていく。
「だっ、だけど///俺、霊と喋ったんだぞ!」
いつの間にか白い人どころじゃなかった。
ヨシュアが、あのヨシュアが今俺の事抱きしめてる///
昨日からヨシュアはちょっと行動がおかしい。
「珍しいね、ネク君霊感全く無いのに。やっぱり彼はちょっと特別なのかな....」
優しくあやす様な口調のヨシュア、さっき恋してるなんて悟った所為か妙に意識してどきどきしてしまう。
こんな風にされたら俺、勘違いする///
どうせヨシュアは俺の事なんてただの都合のいい幼馴染くらいにしか思ってないのに....
「し、シキんとこは?行かないのか?」
「ああ、行ってもいいのかい?」
「だっ駄目だっ!!絶対駄目!!」
情けないけどヨシュアにしがみ付いて子供みたいに駄々こねた。
あの白い人が変な事を言うもんだから、なんだかヨシュアが遠くへ行ってしまいそうで手放すのが怖い。
俺がシキと遊んでたみたいにヨシュアだって束縛される理由なんて無いって分かってるけど。
今まで散々我が侭聞いてきたんだ、俺だって一度くらい....
「一度くらい俺の我が侭聞いてくれてもいいだろっ!!」
たとえ俺が誰でもいい内の一人だとしてもいいから他の人にだけは渡したくない。
するとヨシュアが気まずそうに呟いた。
「...何で急にそんな事言うんだい、僕、勘違いするよ///」
え、何だこれ....??
こ、これって///
そんな事言われたら俺だって...
昨日の夜の事も今までの事も全部全部勘違いしてもいいのいか?
「すればいいだろっ///!!」
まさか、まさかヨシュアがこんな事言うなんて!!
そう言ったらもう胸に色んな想いが込み上げてきて思わずヨシュアにキスした。
ヨシュアも俺にしがみ付いてお互い貪欲にキスを求め合ってた。
嬉しいとか幸せとか大好きとかそんな想いをたくさん伝える様に何度も何度もキスした。

 

答えは簡単だった。
俺とヨシュアはあの小さい時から何も変わっていなかったんだ。
俺と結婚したいなんて言っていってた幼いヨシュアの「好き」もいつの間にか大人になっていたんだな。
大人の「好き」はちょっとだけ難しくて俺達は中々気が付かなかったけど。

 

「僕はずっと前から自分の気持ちに気付いてたんだけどね。」
「そ、そうなのか///?!」
「ネク君の鈍感には本当に苦労するよ。」
それから本当は俺の気を引くためにビイトと付き合った事や、俺を試す為にシキの話を持ち出した事、
色々聞いたらヨシュアの気まぐれや我が侭が全部可愛らしいものに思えた。
ヨシュアなりに色々と駆け引きをしていたらしく俺はあっさりそれに嵌っていたみたいだ。
流石長い間一緒に居ただけに俺の扱い方よく分かってる。
そんなヨシュアの不器用な愛情表現がとっても嬉しくて愛しかった。
だからまたキスしてベッドに押し倒して昨日の夜の続きをした。

「あっ、ん...ネクくんっ」
「ハァっ...ヨシュア...す、すき///」
「んっ...僕も...」
今度は本当にヨシュアの気持ちごと一緒に抱いた。

ヨシュアが幼馴染から恋人に変わった瞬間だった。



 

「ネク君、煙草」
「駄目だ!大人になるまで吸うなっていっただろ!!」
「...ケチ」
ヨシュアのサボり癖は相変わらずだけど、それに付き合うのは前よりも楽しくなった。
ヨシュアは少しだけしおらしくなって、俺の言う事も少しずつ聞いてくれるようになった。
楽しくなったっていうのは、ちょっとしたおまけが付いてくるようになったから。
「ネク君、やりたくなってきた。」
「え///?!じ、授業中だぞ///それにここ屋上っ!」
「関係ないよ、早くして」
「し、仕方ないな///」


「あっ...ネクくん、もっと...奥っ」
「ん...ヨシュアっ....」
屋上の風に吹かれながら立ったままバックでヨシュアを攻める俺。
少し寒い上に今朝も寝起きに一回させられたから正直足腰が辛いけどヨシュアの決めた体位だしやっぱり逆らえない。
「んっ....ネクくんっ...ちゃんと、前も触ってっ....あっ」
言われた通りにしてやるともうヨシュアの陰茎は勃起していて、俺の手の中で気持ち良さそうに更に大きくなる。
「き、きもちいいか?///」
「あっ....まだ、もっとっ....」
慣れてきたらセックスの注文も多くなってきて毎回満足させるのは結構大変だったりする。
本当にどこまでも王子様な奴だな。
でもとっくの昔に忠誠を誓ってるんだ、今更逆らえる訳がない。
そんな王子様主義なところもちょっと可愛いとさえ思えてくる。
「あっ、そこっ...ネクくんっ....」
ヨシュアのいいところを学習した俺はひたすらそこを攻めた。
俺がイく時はヨシュアが先にイってからとか、バックでやる時は必ず名前呼べとか色々な決まりを作られてしまったのでセックス一つするのにも大分頭使う。
ヨシュアの中は気持ちよくて柔らかくてすぐにイきそうになるけど必死で他事なんか考えて堪えてる。
本当にヨシュアとのセックスは苦労する。
でも奉仕するのは性に合ってるみたいで、何よりもヨシュアが気持ち良さそうにしてくれているのが一番嬉しかった。
俺達の体を風が掠めてヨシュアの髪の毛がふわふわと揺れる。
屋上は風が強いから肌出してたらヨシュア寒くないかな....
裸にシャツを羽織っただけのヨシュアが心配になってバックで挿入したまま俺の上着を掛けてやった。
「んっ...ネクくん、すきっ///」
すると急にヨシュアが可愛い事言い出したから思わずイってしまった。
「あっ///ヨシュア!!....あ....」
我慢出来なくて思わずヨシュアに中出しした。
今朝やってきたばかりなのによくこんなに出るよな、今夜の分ちゃんと残ってるかな///


結局後ろで満足出来なかったヨシュアにこっぴどくしかられて、仁王立ちしたヨシュアにひたすらフェラさせられた。
「もう、何度言ったら分かるんだい?!ネク君が先にイったら僕が満足出来ないでしょう?へたくそ!」
「ご、ごめん///気をつける....」
「....嘘だよ、言いすぎたよネク君///」
....授業サボって正解だな。
セックスの余韻に浸りながら二人でいちゃいちゃしていると、急にヨシュアが金網の方を見詰め出した。
「どうした?」
「ん、別に。ネク君、ちょっとその辺片付けといて。」
するとヨシュアが金網の方に走って行ったから、仕方なく俺は一人で情事の名残を掃除していた。






side 1

「ねえ、君は誰なんだい?」
ここ最近ずっと僕とネク君を見詰めていた白い彼が立っていた。
ふわふわした長めの銀色の髪に白い服、どこか僕に似ているけど大分年は上そう。
日に日にその姿が薄れていって今はもう輪郭くらいしか分からない。
何度も僕の気持ちに背中を押してくれていつのまにか僕にとって大切な存在になっていた。
その言葉一つ一つを聞く度に不思議といつも胸が苦しくなって切ない気持ちが流れ込んでくる。
でもそんな彼ももう、消えてしまいそう。
『フフ、よかったね。ネク君の事大事にするんだよ』
頭に直接響くように話しかけてくる。
なんだかいつもと様子が違う。
「もしかして成仏するのかい?寂しいよ....」
すると彼が微笑んだ様に見えた。
『僕の分も幸せになってね、バイバイ』
「あ、待って」
彼の姿が消え入る前に一瞬だけ見えた大きな羽。
気配が完全に消えると空から一枚の白い羽が落ちてきた。
....霊じゃなくて、天使だったのかな。
だったら失礼な事言っちゃったかも。
「ヨシュア、どうしたんだ?」
いつの間にかネク君がやってきた。
今回はネク君には見えなかったのかな。
「白い人がいたんだよ。」
「ええ?!ど、どこだよ?!」
白い人はいい人って言ってるのにネク君はいつも怯えるんだから。
「大丈夫だよ、きっともう二度と現れないと思う。」
「ほ、本当か?!何でっ?!」
「フフフ、空に帰ったんじゃない?」
「成仏したのか?!!助かった...」


天使にまで祝福されるなんて僕ってやっぱり特別な存在なのかな。
昔から変な体質なのは気付いていたけど...
もしかしたら何か特別な力があるのかな。

 

でも僕はネク君の特別で十分だよ。

 

 

 

side 2

驚いた、完全に姿を消してたつもりだったのに流石僕だね、いい勘してるよ。
あのメグミ君とのゲームが終わってもうどれだけ経ったんだろう。
どこかで僕とネク君が普通に友達でいる並行世界があるんじゃないかって思って探してみたら、こんなすばらしい世界があるなんて。

この世界の僕が羨ましいよ。

僕もネク君と同い年の普通の少年でいられたらきっとどんなに幸せだっただろう。
僕の名前を呼ぶネク君、あの顔、あの姿、本当に全てが懐かしい。
フフっ僕もネク君とえっちな事したかったな、なんてね。
思わず世話焼いちゃったけど僕達が上手くいって良かったよ。

僕の世界ではあんな風になってしまったけれど、こっちの僕達は凄く幸せそう。
本当に、羨ましいよ。

「ヨシュア!こんなとこに居たのか!探したぞ!」
「あ、羽狛さん!ごめんね、つい長居しちゃった。」
「何やってたんだぁ?帰るぞ!」
「聞いてよ羽狛さん、ここの世界の僕はネク君と同い年で幼馴染なんだよ」
「....ヨシュア」
「家が隣同士で小さい頃からずっと一緒にいるんだ。それでね、やっと両想いになったんだよ。それを見届けたくてね。」
「そうか、よかったな。」
「こっちのネク君も相変わらず鈍そうで優しくてまっすぐで何も変わらないんだ、でも....」
続きを言おうとしたら急に胸が詰まって苦しくなった。
「こっちのネク君は、僕の事が大好きなんだよ...それだけは、違うみたいだよ」
「よ、ヨシュア、泣くな」
羽狛さんが僕を宥める様に抱きしめてくれた。
もう僕をヨシュアと呼ぶ人は彼だけしかいない。
短かったけど懐かしかったよ、ネク君が僕を呼ぶ声。
愛しそうにヨシュアって呼ぶ声、当分忘れられそうにない。

コンポーザーの道を選ばなければ僕にもネク君との未来はあったのかな....

そんな事考えても仕方ないからこの世界の僕達に未来を託す事にするよ。


二人とも僕の代わりに幸せになってね。

ネク君、じゃあね。

 

 

 

end

 

 

 


終わっちゃった〜!!!
なんか毎日書いてたのですっごく寂しいです....
幼馴染のヨシュアとネクほんとに楽しかった〜!!
毎日連載でも全く苦にならなかったです!!
ラストのコンポーザーヨシュアが書きたくて突っ走ってきましたが、
意外と本当に書きたかったのは俺様な受ヨシュアと性奴隷な攻ネっ君のエチだったんじゃないかと思ってます(笑
色んな方から応援の言葉や感想いただけて幸せな連載でした〜!!!
またネタが上がったらいずれ毎日連載やりたいと思います!!!
最後まで読んで下さってありがとうございました!!!