君との鮮やかな記憶が今でも僕の胸を締め付ける たった七日間の魅惑的なメモリアル ロマンチックセンチメンタル 『フフフっ…ネク君、すごいね!』 『あ…もうっ…無理っ…』 ヨシュアと体を重ねる事が既に当たり前になっていた。 いつも強引で無理矢理始まっても、途中からは優しく俺を包み込むように抱いてくれた。 殺伐としたこの渋谷で唯一受け入れた他人。 俺の世界が変わっていった。 モノクロの世界が彼といる時には鮮やかに見えた。 『ネク君、一緒にさぼろうよ♪』 それは俺とヨシュアの暗黙の合図で、その後はよく二人で路地裏に行き愛を確認し合っていた。 決して言葉にはださなかったけど… 否、出せなかったのかもしれない。 口に出してしまったらいずれ終わりが来る事を認めなければならない気がして… 『ん…ネク君の中気持ちいいよ…ネク君は?気持ちいいでしょ?』 『っ…うるさいっ…あぁ…』 ヨシュアはあったかくて優しくて本当はすっごく気持ちよかったんだ。 一回くらい気持ちいいって言ってやればよかった… 『ねえ、ネク君…僕の事好き?僕はネク君好きだよ。フフフっ』 『〜っ///!!うるさいっ!!』 ああ…俺はヨシュアから色んなものを貰ったのに!! 何も返してやれなかった。 戸惑い 疑い 愛しさ 快楽 そして… 切なさ。 全てお前に出会う為に持って産まれてきた感情なんじゃないかってくらい初めて強く強く思った。 しかしヨシュアは俺を庇って消えてしまった。 俺に悲しみとまだ肌に感じる温もりを残して。 不思議と涙が出ない。 恐らくまだ現実として受け入れられない所為だろう。 ビイトと一緒にノリを合わせていれば少しだけヨシュアを忘れて今を楽しむ事が出来た。 でも見慣れた町並みが路地裏の影が、 ヨシュアとの思い出を色濃く映し出した。 「ごめん、俺ちょっと…」 「あ?トイレか?おう行ってこい!!」 その町並みを見ていられなくなり俺は思わず目の前のモルコに駆け込んだ。 トイレの個室に閉じこもり一人きりになると、 その沈黙が薄暗さが体に染み渡り孤独感が俺を襲った。 淋しさのあまりヨシュアと過ごした七日間が刻まれた携帯の履歴なんかを眺めていると、一件の未読メールがあることに気がついた。 日付を見るとヨシュアとポークシティに行く直前。 それはヨシュアからだった。 〔もし僕に何かあっても悲しまないでね。僕はいつでもネク君の側にいるよ。〕 何だよこれ… まるでこうなる事分かってたみたいじゃないか。 短い文章と一緒にヨシュアの写真が添付されていた。さわやかに微笑んでいて、思い切りカメラ目線なのがヨシュアらしい。 自分で撮ったのかとか考えていたら思わず笑みが零れたが、 ヨシュアを感じられるものが画像だけになってしまった現実を突き付けられ、突如今まで押さえていたある感情が込み上げてきた。 ヨシュア…あの七日間に戻れたら、 一言だけ言いたいよ。 好きだ。 「ヨシュア…好きだ…」 初めて口に出してみると、それが合図になったかのように押さえていた悲しみが涙となって溢れ出た。 「ふっ…ヨシュアっ…」 止まらない、感情の波が爆発して気付けば鳴咽を漏らして泣いていた。 好きだ、大好きだ、会いたいよ! 何度も心の中で言えなかった言葉を連呼した。 同時にヨシュアの体温や、肌を思い出し俺はヨシュアの代わりに自分自身をきつく抱きしめた。 「うぇっ…ヨシュアぁ!」 止まらない激情の嵐。 泣いても泣いてももうヨシュアはいない。 想いは伝えられない。 気付けばいつの間にか俺は自分の下半身に手を伸ばしていた。 快感を思い出す事でヨシュアとの行為を追体験出来る様な気がして… ヨシュアの手を思い浮かべながらゆっくりと上下に動かした。 「ふぁ…ヨシュアっ…」 名前を呼べばみるみるそれは質量を増していき、先走りの液が何度も吹き出した。 「あっ…う…んんっ」 湿った音と小さな喘ぎ声が狭い個室に響いた。 懐かしい感覚。音。声。 ヨシュアしか知らない俺の淫らな姿。 俺はヨシュアがやったように先走りを先端に塗り込み 、尿道を指で刺激すると思わず快感で体がのけ反った。 「ふぁっ!あぁっ…」 心の中でヨシュアを連呼しながら俺は射精するために一気に根元からそれを擦り上げた。 「あっ!!んっ…ハァ…」 溜まっていたあらゆる全てのものを吐き出す様に、 俺は勢いよく体を震わせて吐精した。 まだ足りない。 もっとヨシュアを感じたい… 俺は勢いに任せてヨシュアによって開発された秘部へと濡れた指を這わせた。 「ふぅ…あ…」 たっぷりの精液で濡れた指を少しずつ中に侵入させていく。 ヨシュアがしたようにゆっくりと焦らす様に中をまさぐった。 「あっ…んぅ…」 自分で触るのは初めてだったので肝心な場所が中々見つからない。 こんなところに自ら指を突っ込んで感じているなんて!!! ヨシュア、お前は何処まで俺を開発したんだよっ… 俺をこんな体にしておきながらいなくなったヨシュアが一瞬恨めしくも感じたが、 沸き上がる快楽は再び愛しい彼を感じさせてくれた。 「あっ!…う…んぁ…」 指が1番感じる箇所を見つけると俺は一心不乱にそこを刺激した。 体中が痺れる様な快楽が駆け巡り、それに耐えようと思わず足の指先が開いた。 するとさっき射精したばかりの陰茎が再び硬く立ち上がっていき、俺は思わず開いている手をそれに這わせた。 「あっ…んっ…んん…」 手と震える体の振動で便座のフタがカタカタ音を立てた。 もし誰か入って来たら完全に怪しまれてしまうだろう。 しかしそんな事はほんの頭の片隅にしかなく、 俺は間もなく訪れる吐精感に没頭していた。 ヨシュアの手の感覚や舌を思い出すとそれはあっという間にやってくる。 「あっあっ…ヨシュアぁぁ…んっもぉイク!!」 まるで二人でしている時の様にタイミングを口に出して俺は呆気なく果ててしまった。 残されたのは沈黙と虚しさだけだった。 『フフっネク君相変わらず早いね。』 屈辱的だったヨシュアのお決まりの台詞ももう聞こえない。 我に返った俺は再び孤独感に苛まれ、俯きながら泣いた。 涙の粒が一つ、二つと床に落ちていく。 それを見つめながら、俺はヨシュアとの日々を一つずつ思い出し昇華させていく事にした。 我が儘で 気まぐれで 面倒臭がり屋で たまに厭味を言うけれど 優しかったヨシュア。 大好きだった もう言えないけどありがとう… 君がくれた愛しさとまだ少し残っている切なさを抱いて 僕はこれから世界に新しい色をつけていくだろう END